あけましておめでとうございます。遅ればせながらの新年の挨拶から取って代わって不穏な話題をさせていただきますが、
まずはじめに、高峯駆(武藤亜澄)さんのご冥福をお祈りいたしております。
当劇団の第3回公演「The sky of justice」に出演し、次回公演「ZicronB」にも出演予定の川添美和と、高峯さんが以前「劇団しらたき」さん公演の「ジャンピンガー」にて共演していたことで、このHPに足を運ぶ方々が多くいらっしゃいますようですが、当劇団とは関わりのないことですので、詳しいお話などは一切ございません。
川添美和のほうからも、友人の突然の逝去に驚きを隠せないでいると話を聞いていまして、それ以上のことはございません。
私もまた、12月の「劇団しらたき」さんの公演を観覧させていただいたおり、高峯さんのご活躍を目にした直後のこの事件に対して動揺を隠せません。
ただ、妹と兄を揶揄して光と闇と記した文章を拝見しましたが、何が光で何が闇かいう安易な見解には憤慨を隠せません。長年の浪人生活の容疑者とまだ下積みの高峰さんには、双方の血の滲む努力の日々が等しくあったのだと思っております。その努力があったからこその闘争意識が、思いやりや余裕を排除してお互いを傷つけてしまった結果であるのではないかと思っております。
それを安易に光と闇という単純な二元論で収めてしまうと、曲解を招き、自分が闇だと理解する人々が他者に一方的な嫉妬を抱いて、光を淘汰しよういう欲望が生まれてしまいます。それが傷害に発達し、最悪殺意に変わってしまうのは、不安定な心にはより濃く生まれやすいのではないでしょうか。
心に闇を抱いた人々に単純二元論はあまりにも危ういので、分かり易すぎるトピックで若者を煽る事が次の事件につながるのではないかと危惧しております。
どうか他人の芝を荒らさず、自らの芝を育て、かつお互いにほめあえる芝を作っていければと思います。
重ねて二たび、高峯さんのご冥福を祈っております。
劇団海賊ハイジャック主宰 宇野正玖